純銀のポプラが生える
純銀の目抜き通りには
純銀のカフェが
純銀のダンスホールが
純銀の店々が立ち並ぶ
全てが白く輝く
ここは純銀の街
 
純銀の街に
動く影はただひとつ
一匹の白猫が
純銀のペイヴメントの上を
しっぽをぴんと立てて歩いている
 
白猫が純銀の目抜き通りを抜けると
そこは純銀の広場
純銀の噴水の向こうに
純銀の時計台が姿を見せる
白猫は
純銀の時計台に足を踏み入れる
 
長い長い長い純銀の螺旋階段を登ると
地平まで広がる純銀の街を
純銀の鐘が見守っている
純銀の鐘の下で
白猫は純銀の街を見つめる
そこで白猫は
何かを待っている
 
白猫が見つめる純銀の街に
冷たい純銀の霧が出て
やがて夜が訪れる
空には星が瞬いて
揺れて、流れて
星が
純銀の街に降ってくる
 
純銀の街に星が降る
純銀の街を星が撃つ
純銀のカフェを撃つ
純銀の楽器店を撃つ
純銀のダンスホールを撃つ
純銀の街は崩れていく
 
純銀の鐘を星が打つ
崩れゆく純銀の街に
鐘の音が鳴り響く
星の降り注ぐ純銀の街を
白猫はじっと見つめている
 
純銀の街に星が降る
降り注ぐ星の光を浴びて
純銀の街は輝いている
降り注ぐ星に撃たれて
純銀の街は崩れていく
鐘の音が響き渡る
 
純銀の街は降り注ぐ星に照らされて輝く
純銀の街は降り注ぐ星に撃たれて崩れていく
崩れ輝く純銀の街を見つめながら
白猫は何かを待っている
白猫は何かを待っている